済生会熊本病院

救急医療~24時間の迅速体制で「断らない救急」実現のために救急総合診療部創設~

いつでも受け入れ可能な救急病床と人員を確保

2010年5月に、熊本県内で3ヵ所目となる救命救急センターの指定を受けました。救命救急センター42床をはじめ、計70床の緊急・重症患者専用の病床で救急患者の受け入れを行っています。 救急医療をさらに充実すべく、2010年4月に救急総合診療センターを発足しました。各診療科による横断的な救急医療体制の整備、救急医、総合診療医の育成に努めています。また、救急看護認定看護師も活躍しており、患者さんの重症度を見極め、患者さんに応じたケアを行っています。 いつでも救急の患者さんを受け入れることができる救急病床と人員を確保することで、質の高い救急医療の提供を目指しています。

モービルCCUやヘリポート 夜間でも画像診断が可能な救急設備が充実

患者さんを搬送しながら車内で救命救急措置が行える心臓疾患専用の救急車(モービルCCU)やへりポートをもち、近年では熊本市にとどまらず県内全域、鹿児島、宮崎に及ぶ広域の救急に対応。 夜間でもほぼ日中と同レベルの画像診断や検査などを行うことができ、治療に欠かせないより良い診断が可能です。診断の結果、緊急の手術や治療を要する場合でも、迅速に実施できる体制が整っています。

地域全体で支える救急医療

良質な救急医療を提供するためには、院内体制の強化だけでなく、救急隊や地域の医療機関との協力関係も不可欠です。このため、救急隊とともに搬送症例について検討する勉強会(メディコン会)を月1回開催し、病院に到着するまでに救急隊が行う治療技術の向上に努めています。 また、当院は、熊本市内における他の主要な医療機関の救急担当医とも迅速に連絡が取れる体制にあり、救急の患者さんを常に受け入れることができる「断らない救急」を、地域全体で構築しています。

高度医療~臓器別診療体制で、最新、最良の医療を提供します

高度な専門性を誇る臓器別診療体制

当院では、「専門性に基づく高度な医療の提供」を目的として、臓器別センター制を取り入れています。従来の内科、外科といった縦割りの区分ではなく、ひとつの臓器を中心に内科と外科が同じ立場で体制を形成しています。これによってそれぞれが特性を活かし、綿密に連携をとりながら十分な協議を重ね、質の高い医療を提供しています。 脳、心臓、呼吸器、消化器など生活習慣病に対応した診療体制を構築しており、高性能な機器を導入するとともに、各科が高い技術を持って協力することで、患者さんにとってより良い治療が行えるように努めています。 また、2010年3月には、熊本県で初めて320列CTを導入しました。心臓や脳などの16cmの幅を1回転で撮影できる320列の検出器を搭載したもので、これにより被ばく量や造影剤の量も大幅に削減され、患者さんにとってさまざまなメリットがあります。

外来でも対応できるがん治療の3本柱

がんの治療法は手術・化学療法・放射線治療の3つです。当院は患者さんの病状や進行度に合わせ、各診療科が協力し、この3つの治療法の中から最も適した治療を提供しています。 2007年に新設した「外来がん治療センター」は強度変調放射線治療機器「トモセラピー」による放射線治療や化学療法を行っています。同センターでの放射線治療、化学療法は、入院ではなく通院で行うことができるため、患者さんは現在のライフスタイルを維持しながら治療の継続が可能です。

患者さんの生活の質に配慮した低侵襲治療や日帰り手術・検査

当院では、傷口が小さく、術後の回復も早い鏡視下手術にも積極的に取り組んでおり、技術の向上と患者さんの負担軽減に努めています。 また、2008年度より、これまで入院で行っていた手術や処置、検査などのうち、外来でも実施可能なものを行う日帰り手術・治療室をスタートしました。日帰り手術や治療は多くの場合、翌日から日常の生活に戻ることが出来ます。入院費用がかからず、従来よりも病院での拘束時間が短くなるため、患者さんの負担も軽減できます。仕事をお持ちで休みを取りにくい患者さんであっても、生活の質を大きく変えることなく手術や治療を受けることが可能となります。

地域医療と予防医学、医療人の育成~地域に求められる病院として~

転院後も患者さんが安心して治療を継続することができる 「顔の見える関係づくり」

当院では、地域の医療機関などと協力し、「連携医療」を行っています。「連携医療」とは、ひとつの医療機関が初診から回復まですべて担うのではなく、各医療機関や施設がそれぞれの特性を活かして患者さんに質の高い医療を提供することを目指すものです。 例えば、医療機関は、その役割に応じて以下の3種に分けることが出来ます。

  • 一刻を争い、高度な検査や緊急手術を要する急性期の病気の治療をする病院
  • 急性期が終わり、健康な状態へ回復するまでの治療を継続する病院
  • 日常的に診療、健康相談をする病院
患者さんに当院を退院した後、健康な状態へ回復するまで別の病院へ転院していただいたり、日常的な外来診療については、地域のかかりつけの医療機関へ通うことをお勧めしています。 医師や看護師は、転院に際して十分な説明を行い、場合によっては医療ソーシャルワーカが患者さんの社会的な立場や病状を熟慮して転院先を調整します。時には、転院先の医療機関から医師が当院へ来て情報を共有することもありますし、当院から医療機関へつねに足を運び、情報の共有をはかっています。こうした「顔の見える関係づくり」を行うことで患者さんの転院後の不安を軽減することに努めています。

予防医療センターと連携して、早期発見・早期治療

早期がんの治癒率は高く、早くがんをみつけることで、患者さんの体に負担の少ない治療方法は選択できます。当院の予防医療センターでは、がん検診として、これまでの内視鏡検査より体の負担が少ない大腸CT検査や、着衣のまま検査が出来るPET-CT検査を実施しています。

地域に必要とされる人材育成

医療現場に異なる専門性や技術を有する複数のスタッフがチームを形成して働いています。このため、一人ひとりの専門性や技術水準が高レベルであることはもちろん、チームとしての使命や価値観を全員が共有し、強く結束することが鍵となります。互いの意思を確かめあい、情報を共有することはとても大切です。 当院では、こうした教育に力を入れ、2004年に人材開発室を立ち上げました。注射や応急処置、手術の手技をトレーニングできるシミュレーション室や自己学習が可能なeラーニング環境を整備しています。また、さまざまな経験を通し、患者さんの視点から考え、行動できるスタッフの育成を行っています。

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