次回の放送は2017年1223日(土)1600分からだよ!みてね♪

スタッフブログ

松本 龍(まつもと りゅう)のオフィシャルブログ

打ち合わせや番組ロケの裏側、病院からのお知らせなどをご紹介します!

(4) 小児在宅医療 「我が子と暮らし続けたい」

Dr.テレビたん担当の 松本 龍です。

 

 

7日(土)に、熊本機能病院 地域交流会館 市民塾ホールにて、

NPO法人 NEXTEP が展開する

小児専門訪問看護ステーション 「ステップ♪キッズ」 が主体となった

小児訪問看護研修会が行われました。

小児訪問看護研修会

 

今日のブログでは、

福山型筋ジストロフィーと診断された障がいを持つ二人のお子さんの

親としての体験を講演された

医療法人社団 清心会  春日クリニック 管理部長 浦上 誠さんの

「我が子と 暮らし続けたい」 講演の様子をお届けします。

浦上さん

 

 

浦上さんには、二人のお子さんがいます。

二人のお子さん

 

今から25年程前に1人目のお子さんが生まれました。

8か月検診の際に、「福山型筋ジストロフィー」と診断され、

「我が子に障がい? そぎゃんこつはなか。」 とさまざまな葛藤があったそうです。

20歳の成人式を前に亡くなられました。

 

2人目のお子さんも「筋ジストロフィー」で、

現在、要介護5・区分6で寝たきりの生活だそうです。

 

お子さんが座ることができた時の写真が一番のお気に入りで

仕事場のデスクにも飾られており、

笑顔を見ては、いつも元気をもらっているそうです。

現在の様子

 

浦上さんは、「社会福祉士」と「ケアマネージャー」の資格をお持ちです。

現在、春日クリニックで、お仕事をされています。

医療の観点と、在宅での観点からお話をされました。

観点

 

(1) ショックと否認 

・・・ お子さんが出来たと分かった時、仕事も頑張り、家庭も大事にする。

 希望が広がりバラ色の生活でした。 ところが、一人目のお子さんが

 生まれて8か月後の健診の際、医師から「福山型筋ジストロフィー」の宣告。

 

 絶対に信じたくない・・・   治せるものなら治したい・・・

 なぜ うちの子に限って・・・  

 

 不幸のどん底へ突き落されたと当時を振り返られました。

 

 

(2) パニック

・・・ どう育てていけば良いのか?

  五体満足に生んであげられなかった負い目・・・

  楽しいはずの我が子の誕生が一転して苦難の人生への第一歩となる

  極度の不安と自暴自棄になられたそうです。

 

 

(3) 不当感と怒り

・・・ 浦上さんのお父さんも、浦上さんが小さい頃から寝たきりの生活で、

   なぜ、「父も娘も 寝たきりの人生なんだ」 「俺が何をしたんだ!?」

  と怒りさえ覚え、心身の衰弱だけでなく、離婚も考え、

  また、「別の人と結婚したら障がいのある子が生まれなかった」

  と奥さんに怒りを放出したこともあったそうです。

首に手をかける

 

 

(4) 罪悪感

・・・ 過去における現実の、あるいは想像上の自己の過ちを悔やみ、

  自分を責める。

 

(5) 空想形成、幻想、期待

・・・ 空想の中で、我が子の 五体満足の姿 を想像する。

  いつか突然治るかもしれない、画期的な治療法が見つかるかもしれないと

  期待する。

 

(6) 孤独感、精神的混乱

・・・ 誰も自分の悩みを理解してくれない。

  子どもの人生に未来なんてない。 生きがい・親としての夢の消滅・・・

  仕事や家庭から逃げ出したい・・・

  生きること自体が辛い

 

お子さんが生まれてから4、5年は悲観しかなかったそうです。

痰がからみ 苦しそうな姿を見ていて、楽にしてあげたい・・・。

眠れない・・・ 自分(浦上さん自身)を助けたい・・。

そんな思いから、2度 お子さんの首に手をかけたこともあった。 と

話されました。

浦上さん

 

自分(浦上さん自身)が悲劇のヒロイン(主役)になっていた。

 

辛いのは自分ではなく 子どもなんだ・・・。

 

 

(7) あきらめ、受容

・・・ つらい現実に勇気を持って直面することで、子どもの障がいを

  「心から受け容れられる」 ようになる。

   受動的に運命に身をまかせることではなく、

  「現実を積極的に受け容れよう」 とする行為。

 

  泣き続けても、何も変わらない!

  自分が変われば、すべてが変わる!

  本当につらいのは 子どもなんだ!

 

 

(8) 新しい希望

・・・ いかに子どもを楽しませることができるか

  いつも明るいですねと言われる

  娘を一生懸命笑わせようとしている

  娘が他人を笑わせようとしている

 

  

   浦上さんは決断されました。

 

 

  「二人目の子どもが欲しい」

  「筋ジスの子が生まれる可能性は25%」

  「だったら残りの75%にかけたい!」

 

 

 

   そして、二人目のお子さんが生まれました。  

    

 

  ところが、二人目のお子さんも 「筋ジストロフィー」

 

 

  浦上さんは思いました。

  「あー、神様は、うちにはもう一人くらい 大丈夫だけん、

   今回も 筋ジスの子どもば 授けたとばいなー」

 ⇒ いい意味で開き直ったそうです。

 

 

(9) 真の立ち直り

・・・ 娘は何の為に生まれてきたのか? 生きている意味はあるのか?

  と、知らぬ間に自分の価値観を押し付けて思っていたのを、

 

  「自分は何の為に生まれてきたのか?」

  「娘はなぜ障がいを持って生まれてきたのか?」

 

  「お父さんは、何の為に生きているの?」

  「その気になれば、なんでもできるよ!」

  「障がいを持っていることにも意味があるのよ!」

と、二人のお子さんがいろいろなことを伝えようとしている

そして、娘さん達と誓い合い、

  

  「家族とは何かを教えてくれた」 そうです。

家族

 

 「他の親子より密度の濃い時間を過ごせた」

 「普通の子は親から離れていくが、うちの子はお互いが頼らないと

  生きられない。」

 「一日でも長くではなく、一日でも多く穏やかに生きてほしい」

 

 そんな事を娘さん達から学んだそうです。

 

 

「小児在宅」は母親の生活を支えることが大事とおっしゃられます。

これは、母親の身体的負担とストレス軽減の為に

訪問看護師の方など、ちょっと話相手になってほしい。

母親への身体的・精神的支援は父親支援(役割、期待)に必ずつながる。

小児医療を考える

 

 

 「小児在宅医療を考える」

 

 在宅医療者へ期待することとして、

  在宅医療支援から「母親支援」 そして、

  「障がい児・障がい者が家族と生活できる地域づくり」を と

 

 自らの経験をもとにお話頂きました。 

 

 

 

火曜日のブログでは、

浦上さんのお子さんの主治医でもある

医療法人 おがた会 おがた小児科・内科 院長の 緒方 健一 先生に

よる 「小児科診療所の在宅ケア」 の講演の様子をお届けします。

緒方先生 

KKT!医療ナビDr.テレビたん